辺境で枯れる柄澤望

釣りが大好きで大好きでたまらない、ちょっと突き抜けた変態が津々浦々の魚たちを相手に繰り広げる死闘をゆる〜く書きつらねる

「釣り」における道具論

 釣りという趣味において、道具はとても大きな要素だ。ルアーや仕掛けを遠くに投げ、動かし、魚を釣るための竿。糸を巻き、魚の急な突っ込みにも対応するドラグを持つリール。そして、糸と針。ルアー。

 

 廉価でも、高価でも、道具には作り手の魂が宿る。思想が込められる。

 

 安いものよりは、高いものの方が断然良い。

 

 だが、「釣り」という遊びの本質は、「道具を集めること」「高い道具を使うこと」ではなく、「魚を釣る」ことにある。

 

 僕らは、欲しい竿やリールについて好きなだけネットで調べることができる。ああでもない、こうでもないと道具の組み合わせにこだわることができる。それは楽しいことではある。否定しない。

 

 だが同時に、必要以上にこだわりすぎて、水辺に立つ時間を貧しいものにしていることも確かだ。

 

 道具の力に骨抜きにされて、目の前の川にいる魚を軽んじてしまっている。

 

 数ヶ月釣りに行くのを我慢しないと買えないほどの高価な竿やリールなんて、人生を停滞させるだけだ。

 

 道具の豊かさ、それは「どれほど多くの魚と出会わせてくれたか」ということ。ステラやイグジストを買うのが、水辺から足が遠のく原因なのだとすれば、たとえフラッグシップ機だろうがなんだろうが、これらのリールは僕にとっては“貧しい”ものでしかなくなる。

 

 「高い道具は、良い素材でできているから、長持ちする。結果的に安い」

ひと昔前まで僕はそう思っていた。でも、道具なんて使いようだ。僕は10年前のカルディアKIXを未だに現役で使っている。本当にたくさんの魚と出会わせてくれた名機だ。

 

 ボロボロに使い込まれたこのリールを眺める度に、僕はお金で買えない「道具との絆」を考えるのである。使い込まれた道具には、迫力がある。ピカピカツルツルの新品では到底出し得ない迫力だ。そうだな、「老成した」とでも言っておこうか?

 

 もちろん、釣りが趣味である以上、道具にこだわりたい人が出てくるのは必然だ。でも、少なくとも僕は、感動する魚との出会いをどれだけもたらしてくれるか、というところに最上の価値を見出したいと思っている。

 

 高いリールだったから、高い竿だったから、「怖くて使えない」なんて。それで、道具が喜ぶか?作り手が喜ぶか?ノーだ。断じてノーだ。

西表島の釣り②〈渓流・マングローブ編〉

 前回の記事では西表島の釣りについての概要を説明した。

そして今回からは、西表島の各シチュエーション別の釣りを紹介していこうと思う。

まずは〈マングローブ・渓流〉の釣りについてだ。

日本でマングローブがあるのは、種子島沖縄本島久米島宮古島石垣島西表島など。そのうち、西表島マングローブの規模は最大と言っても良い。

日本のアマゾン

西表島マングローブの釣りが楽しめるのは、浦内川や仲間川の河口地帯だ。

そこでは、マングローブ際にルアーを落として、積極的に誘って魚を掛ける攻撃的な釣りが楽しめる。

海外の釣りにちらっとでも興味を持たれている方は、Youtubeなどでアマゾン川流域でのルアーフィッシングを観たことがあるかもしれない。こんな感じの釣りだ↓


TULALA "MORENA53" 2012 AMAZON

西表島は、こんなアグレッシブな釣りが楽しめる数少ない島の一つなのだ。

マングローブで釣れる魚

マングローブで釣れる魚は数多い。中でも最も有名なのが、マングローブジャック(ゴマフエダイ)を始めとしたフエダイの仲間たち。

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マングローブジャックは、成魚になると海へ出てしまうが、それまではマングローブ地帯(汽水)から純淡水域で狙うことができる。5~7cmのトップウォータープラグ(水面で誘うタイプのルアー)や、ミノー(小魚の形をした、水中に潜るルアー)に獰猛に襲い掛かり、フッキングと同時に大きさからは想像できないほどの強力で竿を振り絞る。おまけに食味も良い。

f:id:Yonagi:20180711214154j:plain友人のKが釣り上げた40cmオーバーのマングローブジャック。汽水〜淡水域における最大サイズだ。凶悪な顔つきと鋭利で頑丈な牙を持つ。紛れもない肉食魚だ。

さらにナンヨウチヌやミナミクロダイなど。

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ぜひ釣ってみて欲しいのが、ホシマダラハゼ。最大40cm程度まで成長する日本最大のハゼだ。上の写真は中型だが、ポッパー(トップウォータールアーの一つ。頭部に大きなカップ状の凹みが付けられており、それを利用して水しぶきをあげて使う。)に猛然とアタックしてきた。

その他に、未だ釣ったことはないけれど、ターポン(イセゴイ)も釣れるという。

渓流で釣れる魚

渓流で釣れる魚の代表格は、何と言ってもオオグチユゴイ!

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最大50cm近くに成長する。スプーンやミノー、スピナーなどで釣れる。他に、エビや貝を餌にして釣ることが出来る。群れで行動することが多いため、立て続けに釣れるが、スレやすい。

他には、「タメトモハゼ」という美しいハゼ類や、「テッポウウオ」という西表島にしか棲息していないとされる魚が渓流では釣れる。

 

マングローブ用の釣り道具

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以上で述べてきたように、マングローブにはサイズの割に引きの強い魚が多い。

さらに狭い場所で正確なキャストが求められるため、道具もそれなりに適したものを揃えることをオススメする。

[竿]

長さは4.8~5.10ft、大体2~10gあたりまでのルアーを投げることの出来る渓流ルアーロッドが良い。スピニング、ベイトのどちらを選ぶかは、それぞれの好みで決めれば良い。ただし、40cmを超えるマングローブジャックなどは、フッキングと同時に強い力で障害物に潜ろうとするため、大型になればなるほどベイトが有利になると思う。ロッドの根元、つまりバットのパワーは強めの方が良い。

ベイトのオススメは、フィッシュマンのシエラ5.2ULなど。

スピニングのオススメは、ツララのグリッサンド56など。

[リール]

2~10gの軽いルアーを、思ったところに飛ばす必要があるため、小型スピニングリール(ダイワ社製で1500~2500番、シマノ社製で2000~3000番)か、ベイトフィネス用のベイトリールをオススメする。

スピニング・・・小さすぎず、大きすぎなければ何でも良い。

ベイト・・・シマノ社のアルデバランBFS、カルカッタコンクエストBFS、ダイワ社のアルファスAIRなど。ダイワ社のベイトフィネスリールはその殆どが淡水専用なので、海水も入るマングローブ地帯では、海水にも使えるかどうか確認しておくと良い。

[糸]

魚の顎にしっかりと針を叩き込めるダイレクトさを持ったPEをメインに、トップウォーターを気持ちよく扱えるナイロン素材のショックリーダー(魚の急な突っ込みなどによる糸切れを防ぐための衝撃吸収的役割を持った糸。メインラインに結ぶ)を1.5mほど付けておくと良い。

PE・・・0.8~1号をリールに50~75m巻いておく。

ナイロン素材のショックリーダー・・・8lb(2号)から12lb(3号)を1.5m結んでおく。

[ ルアー]

マングローブと渓流では、本当にいろんなルアーが使える。

まずは欠かせてはならないのがトップウォーター

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マリア社のポップクイーン50や、メガバス社のドッグX Jr コアユ。ちなみに、上に載せたランカークラスのマングローブジャックはシマノ社のトリプルインパクト55で釣り上げられた。トップウォーターの魅力は、何といっても魚が食ってくる瞬間が見えること。狙った場所に上手く投げることができたルアー、「食え!食え!」とドキドキしながら操り、狙い通りの場所で魚が大きな水しぶきをあげてルアーを咥え込む。最高にエキサイティングな釣りが楽しめる!

 

次にミノー も持っておくと良い。

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オススメはスミス社のDコンタクト50。トゥウィッチを加えると、俊敏に動きながらアクションしてくれる。元々渓流のトラウトフィッシング用に作られていることもあり、速い流れの中でも使いやすい。トップウォーターに出るほど活性の高くない魚でも、ミノーには食ってきてくれる。

 

余裕があれば、持っておくと良いのがスプーンだ。金属を曲げて作った、原始的なルアーだが、破壊力は抜群だ。

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マングローブ〜渓流でよく使うのは、3.5〜7gまでの重さ。

メーカーは何でも良い。元々シンプルな機構のルアーだし、西表島は比較的に魚がスレていないので、多少動きが悪くてもガンガン食ってきてくれる。スプーンの最も強いところは、その輝き(フラッシング)。小魚がヒラを打つ様子を、巻いているだけで演出してくれる。濁りにも強いし、沈むのでトップウォーターやミノーでは攻略しきれない水底をゆっくりと探ることが出来るのも魅力だ。

 

西表島の釣り①〈概略〉

 日本で一番ワクワクする島

 学生時代、特別仲の良かった釣り仲間二人と西表島を二回旅した。宿を取らず、食材を自分たちで調達しながら一週間の野営生活を行うのだ。今年の就職活動では、履歴書にもその事を書いた。東京の大学生となると、「大会」や「ディベート」だの「インターン」だのの小綺麗な経歴でESを彩りがちだ。僕は、学生時代を就活のために捧げたわけではなく、ただ釣りをして旅をして遊び呆けていたので、そういった人様に誇れるような「ご立派」な経歴はない。だから、自然履歴書にはこうしたちょっと変わった(と自分では思っているのだけど)エピソードを書くことになる。結果的に、面接官は「野営生活」「野宿」(履歴書には「サバイバル」という多少着飾った言葉を使ったこともある。)といったキーワードに結構興味を持ってくれることが多かったと思う。だから、みんなも島に行ってみよう。まあ、僕は結局NNT(無い内定)だったんだがね(笑)

 さて、西表島の話だ。西表島に限らず南西諸島は魚釣りをするのにぴったりな場所だ。沿岸部には恵まれたリーフや漁礁が沈んでおり、さほどテクニックが無くてもトロピカルな模様の魚たちが釣り人を楽しませてくれる。西表島奄美大島の方では、マングローブが生えていて、マングローブジャックやハゼなど、そこならではの釣りも楽しめる。時間に余裕がある、睡眠時間は削ってでも釣りを満喫したいという方は、漁港で夜釣りをするのも面白い。他にもまだまだ……。とにかく、楽しみ甲斐がある島々なのだ。行くたびに発見がある。

 そんなワクワクする西表島に、今年も行くことが決まった。僕より先に社会に出ていった親友が、有給休暇を利用して行くというから便乗したのである。

 そんな経緯があって、今回、これまで二回の西表旅で釣り上げた魚やどんな釣りをしたか、などを整理しておこうと思ってこの記事を書くことにした。これから西表島へ釣り旅に出たいという方の参考になれば、とても嬉しい。

 旅のスタイル

 先述したように、僕らの西表旅は基本的に野宿だった。三人がギリギリ横になれるテントを持って行き、レンタカーで島内を駆け巡りながら食料調達ついでに魚釣りを楽しむというスタイルだ。西表島の漁港には、大抵どこかに屋根のついた建物があって、イケナイことかもしれないけれど、夜はそこにテントを張って食事と睡眠を摂っていた。他に一日数百円でテントを立てることができるキャンプ場もあった。

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(いいか!ここをキャンプ地とする!)

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上原港のターミナルのそばで飯を炊く僕。多分、ダメな事だと思う。ゴミは絶対に放置しなかったけど、後ろめたさは残るな笑

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携帯ガスバーナーとガス缶、それからクッカーや飯ごうを持ち込み、その日その日に釣れた魚、渓流で採った手長海老なんかを調理して食べていた。写真左上に、わさびや醤油やらカップヌードルが置いてあるのは……まあ許してください笑

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車を低速で走らせながら、道路を渡ろうとしているヤシガニを捕まえて食べた事もあった。全く味付けもしなかったのに、驚くほど美味な肉を持つ。ただし、尻の方に詰まっているミソはあんまり沢山食べない方が良い。腸が残っている可能性があり、かなりの確率で腹を壊す……

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満天の星空の元、堤防の上に三人で横になって、馬鹿話をいくらでも続けられる。

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 朝、まだ早いうちから”ロビンソン”(水曜どうでしょうに出演していた、伝説のネイチャーガイド)に教えてもらったポイントまで歩いていく。西表島にいて、景色が美しく感じない瞬間などほとんどない。

 

 昔の写真を眺めているだけで、胸がワクワクしてくるなあ。。早く行きたいよ。さて、今日はここまでだ。次回からは西表島での釣りを〈マングローブ・渓流編〉、〈漁港・リーフ編〉の二つに分けてご紹介するぞ。お楽しみに。

2018.7.1 多摩川水系のオヤニラミ

縁あって、荒川水系の釣り人・井口君にオヤニラミ釣りのガイドをしてもらいました。

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小粒な魚体に、複雑な模様が凝縮されています。小さな川の宝石。これは縦縞だけど、中には横縞の個体もいて、加えて体色の濃淡にも個体差があり、見ていて飽きません。エラ蓋のところにほんのりと差している朱色の点が良いアクセントになっています。

 

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釣りでも捕獲しました。2mの安物延べ竿に、市販のテナガエビ仕掛けを付けて、近くで掘ったミミズ餌で。

 

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これはギギ。ガサガサで網に入ってきました。このポイントでギギが採れたのは初めてだそうで、井口君大喜びでした。

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さらにカワムツ!こんな風に婚姻色が出ている魚体は、少なかったかな。

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釣ったカワムツは、塩焼きに。じっくり焼くと、骨まで食べられて美味。良いタンパク源になって頂きました。

 

こんな感じで、のんびり川遊びを楽しんだ1日だった。ガイドをしてくれた井口君、それから車を出してくれた相川琢真氏に感謝。

東京湾のクロアナゴ

 5月20日東京湾の釣り船「Knot Enough」さんにお願いして、日本最大級のアナゴ・クロアナゴを狙ってきた。同行メンバーは、僕を含めた立教大学の釣り部員4人+日大に通う釣り好き1人の5人。

 

クロアナゴの仕掛け・釣り方

 このクロアナゴ釣り、極めてシンプル。PE#4~の極太ラインに、ナイロン100lbを結束し、カンツキ針と20~35号のオモリを用いたドロップショットを作るだけ。あとは、アジやイカを針に縫い刺しし、クロアナゴの潜む海底付近をノックしながら探る。(クロアナゴを釣り上げるだけであれば、もっと細いラインシステムで獲れるのだが、オモリや針のひっかりやすいハードボトムを探る釣り故、太い糸が必要なのだ。)

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 仕掛け。ドロッパーループノットで針を結束し、余った糸で作った輪っかにオモリを通す。都合により、ナイロン60lbと4号オモリで即席で作ったが、本番はこれらがナイロン100lb,20~35号のシンカーに代わる。

 

 オモリで海底を小刻みに、リズミカルに2,3回叩いた後、数秒間止める。アタリは小刻みに竿先を引き込む感じで出る。クロアナゴに限らず、長ものの魚は居食いする。アワセを入れるチャンスは、このアタリが出ている最中で、食っていることを確認したら鋭角にフックを口に叩き込む。後は、底から引き剥がし、リフトする。決してドラグを出してはいけない。ドラグ負荷の高いオフショアリールや、ベイトリールで有無を言わせず引き上げる。

 

当日の様子

 入れ食い間違いなし、というネットの情報を信じて行ったのだが、船長も首をかしげるほどの低活性。けれど、粘り強く探り続けていると僕の竿に魚信が来た。つかさずアワセを決め、今年新調したアブのレボXで巻き上げる。

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2kgぐらいの小物。ディアモンスターMX-7+レボX(ドラグ8.1kg)のコンビではいささか役不足か。でも、初めての一匹はいつも嬉しい。やっぱり足が震える。

 

 その後、同船した友人たちにもようようクロアナゴが揚がり始める。ここ2年ほど様々な場所へ共に釣りに行っているたくちゃん。立教釣り部の元部長。

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立教釣り部長のぐっさん。

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乗船した5人中、4人にクロアナゴが釣れたのでホッとしていると、僕の竿に再びバイト。合わせると一匹目とは全く重みの違う引きがディアモンを引き込む。オフショアの要領でリフト⇨高速で糸ふけを巻き取る、を繰り返し、勝負あり。水面に浮いたのは、4kgを超える納得サイズだった。

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おまけ

 噂に違わぬ釣れっぷり……ではないけれど、僕も同行者たちも結構満足。ただ一人、日大から来てくれたカケルくんは結局オデコ。とても悔しそう。っと、船長から大サプライズ。帰りにシーバスポイントを幾つか回ってくれるという。夜の船上で歓声を挙げる釣りジャンキーたち。

 船長が回ってくれたポイントは、かなり魚影が濃く、イナっ子(ボラの子供)を追ってシーバスが盛んにボイルしている。釣れない、釣れないと言われ続ける東京湾でも、やっぱり沖に出ればパラダイスはある。

 

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ルアー釣りは初めての新入部員・明星くんもこの通り、小さいながらも初キャッチ。

そして、クロアナゴはホゲてしまったカケルくんも……

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この通り。諦めなくてよかったね。

 

 20時からの3時間便だったのに、結局午前2時までガイドしてくださった良い人すぎる「Knot Enough」の船長さん(海の男らしいナイスガイだったのですが、残念ながら写真持っていませんでした)のおかげで、最後は全員笑顔で帰ることができた。

東京湾でクロアナゴを狙う時は、ぜひ「Knot Enough」をご利用ください。本当にオススメ。

 

タックル

 最後にタックルについてですが、正直何でも良い。今回僕が使ったのは、

<Rod>Dear Monster MX-7(Monster Kiss)

<Reel>Revo X HS (PFJ)

<Line>Avani Vamos #5×65m + Nylon 100lb (VARIVAS)

というタックルシステムでした。ロッドはブラックバス用のヘビークラス以上に匹敵するならば何でも良いです。リールも、スピニング・ベイト共に使用可ですが、個人的にはベイトがオススメです。クロアナゴ釣りはいかに底からオモリを離さずに探れるかがキモなので、クラッチのオン/オフが親指一本でできるベイトがあると底の地形に合わせた量のラインを瞬時に出し巻きすることができます。ラインはPE#4~を50mも巻いておけば十分です。

大森貴洋の道具論

 今年の4月31日に発行された別冊つり人「Pride of STEEZ」。

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本屋でパラパラめくってみると巻頭に大森貴洋氏の道具についての特集が組まれていた。今ではすっかりB.A.S.Sのスター選手となった彼の道具理論には非常に興味を持っていたので、即座に購入してしまった。皆さんは「バスプロ」の道具と聞くとどんなイメージを持たれるだろうか。ボートデッキに何本も並べられたロッドとリール、ボート内にぎっしり詰め込まれたおびただしいほどのルアーやワームのパッケージ、それにシンカー・フック、ロッドやリールもスポンサーによっては毎年新たな商品にリニューアルされ、それらは雑誌にデカデカと掲載されることで一般アングラーの購入意欲をそそる・・・一体に釣り業界の道具の進歩というのは目覚ましいものがある。年始のフィッシングショーでは決まって新素材を使った目玉が飛び出そうになる価格のロッドやリールが展示され、各メーカー御用達の口達者なメディアプロがトークショーなんかでそれがいかに凄いか、日頃どれだけ愛用しているかを声高に語る。これがなくなったら世界が滅びるとでも言わんばかりである。

 

大森の道具との絆は、商業主義の薄弱なそれとは対照的なものだ。まず、彼の釣り具に要求される最低限にして最大の基準は”実用的であること”。それが高い次元で満たされているならば、値段や新旧は関係ない。彼がすでに発売されてから約20年が経とうとしているダイワのTD-Sというロッド、その中で特に701MHRBというモデルを主にファストムービング用として2016シーズンまで愛用していたのはあまりにも有名な話だ。これと同社のブラックレーベルPF731MHFB(カバー打ち用)の二本で自分の釣りの90%は賄われている、と大森はDAIWA社の動画で語っていた。参考程度に言えば、PF731MHFBは実売価格2万円前半、TD-Sの701MHRBに至ってはわずか1万円前半である。後者はとっくの昔に廃盤になっているので、今中古で買うとしたら、小学生のお小遣いで買えてしまうことだろう。大森はとっくに廃盤になっているこの廉価ロッドを大量にストックしながらアメリカのトレイルで使い込んできたのである。ちなみにwikipediaによると彼の生涯獲得賞金額は日本円にして2.8億円以上だという。エントリー価格のロッドで億を稼ぎ出すバスプロ。これぞアメリカンドリーム。

 

さて、この「Pride of STEEZ」という雑誌の話に戻ろう。この冊子では大森貴洋の”仕事道具”を取り上げている。まず、目を引くのは大森の釣り具部屋の写真。

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自宅のガレージやボートに店でも開くのか?と戸惑ってしまうほどに釣り具をストックしているイメージを持たれがちのバスプロであるが、こと大森に関しては見出しにあるように非常にシンプル。

"ハードベイトとフック&シンカーなど小物類を収めたタックルケースが約50個と、ソフトベイトを収めた大型収納ケースが20箱余り。ボートとキャンパーに積み込んである分が別にあるとはいえ、これが大森貴洋の持つ全ルアーである。”

                    (P13写真説明文より引用)

これはバスプロとして生きる上で何にも増して重視される”釣れるか否か”という厳正な基準において2年前から断捨離した結果至った形だと大森は述べる。この部分はミニマリストの気があるアングラーからしたら失禁しそうなほどワクワクする読み応えのある部分だろう。

次にタックル紹介のページがある。

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これによると大森の使用タックルはベイト4+スピニング1のわずか5タックル。例外はなし。内訳は

1.TATULA ELITE701MHRB-G(DAIWA)・・・2017年発売。ストックの少なくなってきていたTD-S701MHRBの代わりとしてUSA DAIWAで新たに開発されたモデルである。クランク(シャロー〜ディープ)、バイブ、スイムベイト、スイムジグ、ワイヤーベイトで使用。

2.TATULA ELITE731MHFB(DAIWA)・・・2017年発売。大森のもう一つのメインロッドBL-PF731MHFBに代わるロッドとして新たに導入。ジグ&ワーム系のほぼ全てに使用。

 

3.Black Label FM661MHFB(DAIWA)・・・ペンシルやジャークベイトなどのロッドで動かす釣りに使用。優勝した2016エリート第四戦ウィーラーレイクでウィニングルアーの一つであるスーパースプークを操っていたのが他でもないこのロッド。

 

4.TATULA 741HFB(DAIWA)・・・ヤマセンコーなどのフィネス系に使用。使用頻度は少なめ。

 

5.STEEZ XT 701MHFS(DAIWA)・・・唯一のスピニング。おそらくUSAのモデルかと思われる。シェーキーヘッドやドロップショットで使用。

 

以上。実に潔い、男らしいロッドチョイスである。本誌では、このシンプルな大森のロッドチョイスについて「バスの神様」リッククランが提唱した「ワンロッド理論」を比較して説明している。「ワンロッド理論」とは、2001年シーズンの終了後にリッククランが提唱したワンセットのタックルで釣りを全てカバーする、という考え方だ。具体的には

”7ftヘビーアクションのクランキンロッドにギア比6.3のリール(当時のハイスピード)を合わせたタックルですべての釣りをカバーする"(P18より引用)

のが「ワンタックル理論」。この斬新な思想の最大の目的は、タックルを自分の体の一部として完全に制御することだった。そこにはクランがキャストコントロールの不正確さとプレゼンテーションの甘さにより、ミスバイトとバラしに悩まされていたという背景があったという。つまり、タフコンディションが原因となる魚側の問題とは別に、アプローチする釣り人側の諸問題を解決しようとして導き出された理論こそが「ワンロッド理論」だったのである。そしてこの理論はリッククランが感覚をどれだけ重視するアングラーだったかを物語っている。驚いたことが一つ。それは大森がリッククランよりも早くにこのスタイルを志向していたということだ。記事によれば、大森がわずか2セットのタックルで自分の釣りの90%をカバーする、という試みを実践し始めたのは彼の渡米直後、つまり90年代半ばだという。記事ではそれと併せて大森が自身の使うベイトロッドのトリガーを全て削り落とすという極めてユニークな調整を行っていることにも言及し、大森もまたリッククランと同様に感覚派のアングラーであることを結論づけている。

 

ちなみに大森の使うベイトリールはたった一つ。ジリオンSV TW1016SV-XXH(DAIWA)である。9.1のギア比を持つこのリールを、大森はカバー打ちはまだしも、巻物にも使っているのだ。これについて、「スローに引きたいときはどうするの?」という雨貝健太郎氏の質問に大森は次のように答えている。

”「自分がゆっくり巻けばいいだけの話。ハイスピードギアで遅く巻くのは簡単だけど、逆にロースピードギアで速く巻こうとしても限界がある。あとは、バイト直後に走られたときとか、ファイト中にジャンプされたときなんてロースピードギアではとても対応できないからね。」”(P13より引用)

正直、今まで私はリールのギア比などあまり気にしていなかった。が、第一線のプロがここまで述べるならあるいは・・・と思わせる説得力がある。彼のハイスピードギアへのこだわりは部分的にではあるが、以下の動画でも言及されている。是非参考にされたい。

www.youtube.com

www.youtube.com

 

ここまで、大森貴洋の道具理論について主に別冊つり人「Pride of STEEZ」を参考にご紹介させていただいた。ここで一つ、注意しておきたいのは、彼のタックルチョイスが必ずしもバス釣りにおける正解とは限らないということだ。日本人アングラーから見た彼の一番の特徴は、非常にシンプルで無駄の削ぎ落とされたタックルセッティングであるが、それは彼の釣りのスタイルがいわゆる”バンクビーター”と言われるシャローの釣りを中心に完成されているために他ならない。ここからはバス素人の私なりの考えだが、アメリカではバスプロは必ずしもオールラウンドである必要はなく、どれだけ湖のコンディションに自身のスタイルを当てはめていけるか、が重視される。その背景にはそれぞれの湖が日本のそれらとは比較にならないほど広大であり、”そこにいる”魚をどう釣るか、よりも魚が”どこにいるか”を早く掴むことがしばしば試合に勝つための大切な要素となってくる、ということがある。一方で、日本のトーナメントシーンは"どう釣るか”がキーになってくる。タフコンディションであることが珍しくない狭いレイクやリバーで、なかなか口を使わない魚を繊細な妙技で仕留めることが重要になってくるのである。簡潔に言えば、アメリカと比較して日本では一匹の価値が非常に大きくなってくるのだ。一匹の魚をばらさない為には、自分の使うリグに応じた最適解とも呼べるタックルが必要となってくる。なぜなら、誰もがリックや大森のように完璧に道具を制御できるわけではないし、何と言っても”専用”というのはそのリグの使用感を極限まで高めてくれるからだ。これはリグが軽く、小さくなるほど顕著だと言える。(というか、リックや大森のスタイルはアメリカにおいてもやはり少数派であることが「Pride of STEEZ」では述べられているし。)

そうは言っても大森のタックル論は商業主義の波に踊らされがちな日本の我々からしたらやはり胸躍る新しい考え方の一つであることは間違いない。これを機に、一度自分の道具を見直してみてはいかがだろう。あと、「Pride of STEEZ」、大森選手の記事の他にも面白いページが盛りだくさんです。すごくおすすめ。これは本心だから商業主義じゃあない。間違いない。

5/22 多摩川のナマズ釣り

 ナマズの穴場を自力で開拓し、密かに良い釣りを楽しんでいる大学の後輩Tがポイントを案内してくれると言う。私とTともう一人、釣りを始めたてのIくんの3人で午前11時ごろ集合し、ポイントへ向かう。二子玉川周辺の場所だった。幅の狭い川の中に、鯉の大群、ちらほらナマズ、時たまライギョ、スモールマウスとオイカワはうじゃうじゃ。最初はトップで狙ってみるが、ドピーカンの真昼間に口を使ってくれるほどバカじゃない。次にナマズのサイトフィッシングで多用するBカスタム(スピナーベイト)を使って見る。一回口を使いそうになったかと思うと、次の一投ではピューッと逃げて行く。それでは仕切り直して、と放った3投目では再び口を使う。同じ魚のはずなのに反応はまちまちである。何回も投げてみて、考えて、キーポイントは二つあることに気がついた。

 一つは、なるべく静かな状況下でアプローチできているか、ということ。今回狙ったナマズは鯉の群れに隠れるようにして回遊していた。T一人とは言え、連日叩かれる中でナマズも狡猾になっていったのだろう。鯉の群れの中にいると、うまくナマズを狙えない。まず、さほどクリアではない水質で鯉とナマズを見分けるのは案外難しいし、おまけに今日は風も強めだった。そして、鯉の群れに気をつかわず、スピナベを通すと、驚いて逃げた鯉の様子に怯えてしまうのか、ナマズは途端に口を使わなくなる。だから、ナマズが見えたからといって盲滅法に投げるのは禁物で、ナマズが見えていて尚且つ鯉の群れとはやや離れている状況に絞ってアプローチすることが肝心なのだ。

 

 もう一つはどのようなトレースコースでアプローチするか。これは今日の釣りで本当に顕著だったのだが、ナマズの鼻先にスピナベが来るように引いてもナマズはほとんどの場合びっくりして逃げ出してしまう。では、どのようなコースが良いのか?今日に限って言えば、それは「頭の真上」を頭側から尾側へ横切るように引くことだった。いわば感覚器がルアーの出す波動を感じ取った際にその正体を確かめる反射運動。これがナマズが口を使う理由だったのだ。その間、わずか0.5秒ほど。何度か針がかりさせたが、結局釣り上げることはできなかった。しかし、有意義な観察ができた。次に活かせるだろう。それと、スレたナマズを相手にするときには、やはりアシストフックの重要性を深く感じる。

 

午後5時まで釣りをして、結局3人ともノーフィッシュ。そのあとはバイトに向かうというIくんを駅に送り届けてから、Tと二人で居残り補習。登戸の近く、市街地の中を流れる小川で夕まずめ。なかなか魚影の濃い川で、やっと一匹釣れた。

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ルアーは借り物のジョイントジッター。おそらく3/8ozのモデルだろう。これまで、ジッターに関してはキャスタビリティという観点から5/8ozばかり使っていて、3/8ozは半ば食わず嫌いしていたが、どうしてなかなか使える。まず、ボディが若干小さくなることからナマズの口に針がかかりやすい。それから小型ボディが生み出す弱波動。市街地の河川や小規模なポイントではプレッシャーが蓄積しやすい。今まではナマズ釣りに波動の使い分けは無粋ではないかと考えていたが、今回の釣行ではその認識を180度改めることになった。3/8ozクラスの小型ノイジーはボックスに一つは忍ばせておいて損はない。小型が良いのであればより軽量な1/4ozジッターの方が良いのではないか、とも考えたが、背負えるフックの強度・キャスタビリティ的には3/8ozがギリギリではないかと思う。勿論スピニングタックルの導入を視野に入れればこの限りではない。

市街地の川では私・Tともに数バイトだせたが、結局獲れたのはこの一匹のみだった。次に、多摩川の超有名ポイントである某水門に移動。すでに先行者が入っており、もうバイトを出すのはきついかなとも思ったが、やはり弱波動が効果的だったのか、ワンバイトだけだが強烈な魚信があった。しかしこれも掛からず。ナマズ釣りで不思議なのは掛からなくてもトップに出てくれればやはり無上の満足感を味わえるということ。これは本当に他の釣りでは考えられないことである。鯰釣り師は皆いつの間にか寛容な人格になっていくのかもしれない。

 

ほんの1日釣りしただけだが、これからの鯰釣りに活かせそうな学び・発見がたくさんあった。有意義な釣行だった。

[Tackle]

<Rod>

Dear Monster MX-7(Monster Kiss)

<Reel>

09SCORPION 1501-7XT(SHIMANO)

<Line>

PE#3+Nylon30lb